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空き家管理台帳のスマート化(人口政策推進課)

1 空き家管理台帳のスマート化

 あなたの住んでいる近くに放置された「空き家」を見かけませんか?
 普段はなんとなく見かけるだけの空き家ですが、静岡県内の空き家は約28万戸あります。
 少子高齢化などに伴い、所有者不明や相続放棄などにより今後も増加することが見込まれます。
 空き家の増加は、町の防犯性、防災性の低下や景観上の問題が生じるとともに、住む人がいなくなれば、地域コミュニティの衰退を招くことも考えられます。

 町は町民から寄せられる空き家の情報をもとに空き家所有者さんへ適正な管理をお願いするにあたり、空き家の情報を管理していますが、戸数も多く空き家によって問題はさまざまで、情報整理が複雑なんです。。。
 この課題を解決するためにDXを活用したアイデアを紹介したいと思います。

 この記事は町のDX化に沿った内容ですが、読んでくださった方には少しでも空き家について考える機会になれば嬉しいです。

(1)提案概要

 現在、町民から寄せられる空き家の情報をExcel にまとめ、管理を行っている空き家台帳及び問い合わせ相談の整理について、システム化することで、情報管理の統一化や効率化を図りたい。

(2)空き家管理事務が抱える課題

  1. 空き家管理は、所有者不明や相続放棄などにより、長期的な課題となって
    いる。そのため、継続している空き家の案件についても Excel の任意的
    様式では、担当者が変更になることで管理や整理が煩雑になっている。

  2. 空き家調査に向かう際、Excel 台帳データ、パスカル※1、ゼンリン※2などにより 帳票をそれぞれ打ち出し、調査に向かうが、1件における書類が多く、調査時の準備を含め手間がかかる。(※1、2はともに地図情報サービスのこと)

(3)課題解決の手法

システム化による

  • 記録様式の統一化、相談履歴などとの同時参照

 担当者によって、ばらつきのある記録をシステム様式で統一化し、空き家相談や問い合わせ内容を同時に参照することができる。

  • 空き家調査の際、撮影した写真のアップロード

 空き家調査時に撮影した記録写真をそのままタブレット端末などでアップロードし、その場で記録できる。

  • 位置図の落とし込み

現地調査を行った結果の正しい位置図を、記録や写真などとともに落とし込むことができる。

→ タブレット端末等活用し、データを連携することで帳票がスマート化し、情報を一括参照することができる。

(4)期待される効果

  • 記録内容の統一化と状況整理の正確性向上

 いつ、誰が、どのように対応し、現況はどうなっているのかの把握が正確になる。

  • 帳票のスマート化による調査時の即時対応が可能

 調査時にタブレット端末等と連携していることで、現場での追加の確認事項があった際にも即時にデータの参照が可能になる。

  • 帳票印刷にかかる費用削減、ペーパーレス化

 調査時に印刷する紙での帳票印刷が必要なくなり、ペーパーレス化が実現する。

  • 町における空き家の現状傾向の把握、分析、即時データ化

 どの場所にどの程度空き家があり、危険度が高い地域はどの辺りであるなどといったデータを使った分析が即時に可能となる。

(5)懸念事項

  • 現状の Excel 台帳からシステムへの正確な引継ぎ

 そもそも現状使用しているExcelデータからの正確な引き継ぎ(いつ、誰が、どのように対応し、現状どうなっているかなど)を行わなければ過去の空き家情報をシステムへ移行できない。

  • システム化・備品購入するための費用負担

 備品購入によるイニシャルコストに加え、システムのランニングコスト等が継続してかかるため、補助金等の活用が望ましい。

  • LGWAN 回線とシステム(タブレット端末)との連携

 普段庁内で使用しているネットワーク環境は一般的なインターネット環境ではなく、地方公共団体独自のネットワーク環境(LGWAN回線)であるため、一般的なインターネット回線を使用したタブレット端末ではネットワークに齟齬が生じ、連携が難しい。LGWAN-ASPサービスなどを活用できるシステムであれば連携できる可能性がある。

(6)他自治体事例

福井県あわら市  神奈川県鎌倉市

 システム化した空き家台帳とタブレット端末と連携させ、データの引き出しが 現場にて即時に可能に。
 その他にも、災害時や防犯の観点から危険性の把握することに活用したり、空き家の流動化の面からも危険性が低く、住めるような状態であるものに関して、不動産物件として流通可能なものを洗い出すことができる。

2 小山町職員アイデアソンについて

 本アイデアは、令和4年度小山町DX人材育成研修の一環として、参加者が考案したアイデアを公表するものです。その他のアイデアは、以下の一覧ページからご覧ください。


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